横田順彌「火星人類の逆襲」

H・G・ウェルズの「宇宙戦争」は実話だった!?13年前にロンドンに現れた「火星人」が、今度は日本を襲撃し始めた。日本の運命や如何に!そして「火星人」の目的とは!?
昭和63年発表。

火星人類の逆襲
火星人類の逆襲横田 順弥

新潮社 1988-05
売り上げランキング : 203116

おすすめ平均 star
star奇絶、壮絶、また快絶の冒険活劇

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

明治44年8月、巨大な円筒が東京湾に落下した。円筒から姿を現わした4台の怪異な機械。それはなんと、13年前にもロンドンを襲った火星人類の戦闘機械だった。高熱光線を発し、帝都を焼き払う戦闘機械。帝都危うし!この危機に決然と立上がる押川春浪吉岡信敬バンカラたちの集団・天狗倶楽部の面々。帝都の運命や如何に!明治末の東京を舞台に繰広げる書下ろしSF長編。

もちろん「宇宙戦争」のパスティーシュ 。でも、登場人物は主役はもちろん脇役にいたるまで「実在」の人物たち。「海底軍艦」の元祖SF作家・押川春浪早稲田大学の応援隊長「虎鬚彌次将軍」として知られた吉岡信敬を中心とする天狗倶楽部の面々。『リング』でおなじみ「念写実験」の福来友吉御船千鶴子新渡戸稲造、南極探検隊の白瀬中尉、乃木大将、西園寺首相、明治天皇という歴史的有名人から、漁師の源蔵爺さん、魚屋の新公といった市井の人々までも・・・。


いまや明治文化史研究家としても活躍するSF作家ヨコジュンならではのこだわり。微に入り細に入りディテールを積み重ね、「事実」にこだわり、「明治時代」を生き生きと再現していく。


そして明かされる「火星人類」の驚くべき正体。本家H・G・ウェルズも吃驚仰天だ。

それにしても天狗倶楽部のメンバーの魅力的なこと。まさに明治のオノコたち。

快絶壮遊 天狗倶楽部―明治バンカラ交遊録
快絶壮遊 天狗倶楽部―明治バンカラ交遊録横田 順弥

教育出版 1999-06
売り上げランキング : 486754


Amazonで詳しく見る
by G-Tools