新宿昭和館

名画座つづき。
公開中の映画「グラインドハウス」。

グラインドハウスとは、1960年代後半から80年代にかけて、ダウンタウンにたくさんあったアクションやマカロニウエスタンなどのB〜C級映画を2〜3本立てで上映する映画館のこと。映画「グラインドハウス」は、そんな映画館で上映されていた映画たちにクエンティン・タランティーノロバート・ロドリゲスがオマージュを捧げている作品。
タランティーノの「デス・プルーフ」とロドリゲスの「プラネット・テラー」を2本立てで上映、間にフェイクの予告編を挟みこんで1本の映画「グラインドハウス」としている。
でも、アメリカ以外の国では「グラインドハウス」の伝統がないという理由で、それぞれ1本立てで上映されることになった。


まあ、日本に「グラインドハウス」の伝統がないというのはアメリカ人の勉強不足だったのだが・・・。そもそも日本映画は、90年代初め(?)くらいまでは封切でも2本立て興行が基本。洋画だって地方では基本は2本立て。ロードショーがすでに「グラインドハウス」状態。もちろん名画座だってたくさんあった。


なかでも一番「グラインドハウス」らしい映画館といえば、新宿にあった「新宿昭和館」だろう。上映作品は任侠映画とヤクザ映画だけと男気100%。もちろん観客も野郎ばかり(その筋の本職の方も多数ご入場)。惜しくも2002年4月に閉館。
(写真)http://www.cinema-st.com/classic/c006.html
そんな映画館で起こった破天荒なエピソードの数々を元従業員がまとめた一冊。

名画座番外地―「新宿昭和館」傷だらけの盛衰記
名画座番外地―「新宿昭和館」傷だらけの盛衰記川原 テツ

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かける映画はヤクザ物。観にくる客は無法者。負けじと従業員もならず者。この映画館は、そこらの映画より断然面白い!幻冬舎アウトロー大賞特別賞受賞の、笑えて泣ける傑作ノンフィクション。