逢坂剛「恩はあだで返せ」
恩はあだで返せ | |
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出世なし。女もなけりゃ、金もなし。そんな御茶ノ水署・生活安全課の斉木係長と梢田刑事。頻発する珍事件を追って、今日もふたりは街を掛けまわる。トンデモ売春組織の謎、路上でハンコを押し売りする男の秘密、超高値の古本をめぐる詐欺の真相・・・。お調子者で失敗ばかりのダメコンビが、体当たりで事件を解決していく。
「しのびよる月」「配達される女」に続くユーモア・ミステリー第3弾。
小学校の同級生ながら今は上司と部下の斉木と梢田コンビに、前作から加わったニューキャラクター五本松小百合巡査部長が繰り広げるドタバタ事件簿もますますパワーアップ。知らず知らずのうちに事件に巻き込まれているグウタラな二人がアタフタしているうちにいつの間にかに事件を解決してしまう。その手腕、お見事。
舞台になっているのは東京・御茶ノ水界隈。作者の逢坂剛は、長年神田錦町にある広告代理店に勤め、専業作家となってからは神田神保町に事務所を構えている。「御茶ノ水署(架空の警察署、モデルは神田警察署)」の管内はまさに庭のような場所。物語の中にも、実在の飲食店やお店、地名がここそこに出てくる。古本屋街の神保町には安くて美味しい食べ物屋がたくさん。この本はそんな御茶ノ水のガイドブックにもなっている。
(採点:★★★★☆)
このシリーズは、フジテレビ系で「所轄刑事」シリーズとして2時間ドラマ化もされている。キャストは斉木に船越英一郎、梢田に的場浩司。同級生コンビではなく、先輩後輩に改変されているのが残念。もちろん御茶ノ水や神保町近辺が舞台になっている。
まずは第1作目の「しのびよる月」からどうぞ。
しのびよる月 (集英社文庫) | |
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