封印作品の謎

封印作品の謎

封印作品の謎

ブログの自由さとは正反対の〝不自由〟な世界のお話。


この本で取り上げられているのは、「ウルトラセブン(12話)遊星より愛をこめて」「怪奇大作戦(24話)狂鬼人間」「ノストラダムスの大予言」「ブラック・ジャック(41話)植物人間」など、ある意味、封印されてしまったがゆえに〝有名〟になってしまった作品たち。
作者(28歳の元新聞記者、これがライターとしてのデビュー作)はこれらの作品が何故、〝封印〟されるに至ったか、当時の資料や関係者へのインタビューにより、その〝謎〟を解き明かしていく。


放送禁止歌 (知恵の森文庫)

放送禁止歌 (知恵の森文庫)

いうなれば、こちらの「映像作品(オタク)」版である。導き出される答えもほぼ同じだ(森達也氏のほうが深みがあるが)。簡単にまとめてしまうと「自主規制」だ。
詳しくは二冊とも読むことをお薦めする。


ここからは実体験。
ebiyabooksは放送業界で働いて十数年になる(本業は構成作家)。ホントに放送の世界には、「自主規制」が多い。森氏の本に詳しいが「放送禁止語」なんていうのは実際には存在しない(一般の人は誤解しているが、だれでも思い浮かべるだろう有名な〝禁止用語〟を使っても別に法的に罰せられるわけではない。まあ、社内的には始末書を書かされることはあるが)。あるのは放送自粛語である(こちらには分厚いマニュアルがある)。


まあ、いまの現役の放送人は、上の2冊に書かれている〝アンタッチャブル〟な領域は熟知している(理屈は知らない)から〝地雷〟を踏んでしまうことはないが、他の領域で〝地雷〟を踏むことは多々ある。
そのひとつが「スポンサー様」だ。いまでもスポンサーがらみでの、〝お詫び〟や〝訂正〟、はたまた〝放送中止〟などはよくあることだ(番組を直接スポンサードしているとかは関係ない。局にとってのお得意さんであるかどうかが問題)。
かくいう私も、スポンサーがらみで一本〝お蔵入り〟にされたことがある(アチャーっ)。