大倉崇裕 「三人目の幽霊」
三人目の幽霊 (創元推理文庫 M お 4-1) | |
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衝撃の辞令を受けて泣く泣く「季刊落語」編集部の一員となった間宮緑は、牧編集長の洞察力に感嘆しきり。風采は上がらず食べ物に執着しない牧だが、長年の経験で培った観察眼に物を言わせ、しばしば名探偵の横顔を見せるのだ。寄席の騒動や緑の友人が発したSOS、山荘の奇天烈も劇的な幕切れはご覧の通り。第4回創元推理短編賞佳作の表題作など5編を収める。意表を衝く展開を経て鮮やかに収斂する、妙趣あふれるデビュー連作集。
●収録作品
「三人目の幽霊」
「不機嫌なソムリエ」
「三鶯荘奇談」
「崩壊する喫茶店」
「患う時計」
落語界という「非日常」の世界の「日常」を舞台にした「日常の謎」系ミステリー。一見、北村薫の「円紫師匠と私」シリーズに似ているがミステリーとしてのアプローチはかなり違う。